組合員活動報告

発酵食品の基礎知識(みそ編)

□開催日:2021年3月5日(金)
□主催:Aブロック 
□会場:コープ自然派兵庫姫路センター活動室

宮城県から鎌田醤油さんに来ていただき、発酵のこと、味噌作りのことなどお話していただきました。

鎌田醤油さんの創業は1835年頃。天保の飢饉など幾多の飢饉に見舞われた頃、藩主の指令によって酒造業から味噌醤油製造に転業されたそうです。仙台味噌の原材料はすべて国産で地元の大豆と米を使っているので安心です。
発酵と腐敗の違いは、発酵は人間に有用な物で有害なものが腐敗。でもネバネバやすっぱいのが全て腐敗ではない。境界線ってなくて、結局は好き嫌いで決まるのかな、とのこと。好き=発酵。そして発酵は微生物がつくってくれる調理方法。微生物が味噌を作ってくれていて、発酵の環境を作り出すのが仕事だと仰っていました。

仕込み味噌の出来上がりは家庭によって味が全然違ってくるとのことで、やはり環境、温度が大事。仕込んでから2〜3週間は10度以下が良くて、温度を低くすると酸味が出る。酸っぱくなると空気中の雑菌が抑制されるそうです。種味噌(自分の好きな、出来上がった味噌で米みそがいい)を入れると、菌が道先案内人のような役割をしてくれて美味しくなる。混ぜ方はざっくりで良くて、あまり真面目にやらなくていい。いい加減が良く、おいしくな〜れと愛情込めて作るのが大事だそうです。とにかく味見と経験、子どもにも舐めさせてみること、など詳しく教えていただきました。味噌作りは難しそうで今まで出来ずにいましたが、もっと気軽にやってみようと思えました。 食の話では、人間も動物だから食べることが一番大事。食べたものが身体になって活力になる。だからもっと貪欲に何を食べるかを考えること、と聞いて改めて食べることの大切さを考えさせられました。味噌が戦国時代に陣中食として重宝されたなど味噌の歴史や、醸造は芸術と言われているなど、味噌や発酵の奥深い話を楽しくわかりやすく教えていただいて勉強になりました。

◆後日、鎌田醤油さんより質問のお答えをいただきました。
Q1、塩はどんなものを使用していますか?
塩によって味は違いますか?

A.今回の仕込みみその食塩は、香川県の(株)日本海水の海水塩・白塩(瀬戸内海の海水を原料とした海水塩)を使用してます。
食塩の違いに関して
当社では、淡色みその場合、2から3ヶ月の熟成期間が短いお味噌は、日本海水さんの、瀬戸のあら塩を使っております。熟成期間が、短いと塩の味が引き立ち、角が立ってしまいますので、口当たりの良いあら塩を使用しています。熟成期間が、長いと(半年から1年の場合)塩慣れにより、塩も丸みを帯びてきますので違いが少なくなります。

Q2、豆の煮る時間はどれくらいですか?
鍋で煮る場合、大豆を一晩浸漬してから、鍋で煮ますと、4から5時間かかります。
圧力鍋は、取り扱い方法を参考に、12分から15分くらいです。

煮た大豆の硬さを、台はかりで確認しましょう、300gから600g(ちょっと硬くても大丈夫)の間が良いです。10粒くらいを一粒ずつ測っての平均を見てみましょう。(資料をご参照ください)

Q3、アルコールや加温で発酵をとめたものと生味噌の違いを教えてください(体への影響など)
味噌は、発酵は続きますので、袋やカップに入れて販売する場合に膨れたり色調が濃くなったりします。その対策として、アルコールを入れたり、加熱して、その発酵を抑制します。
生味噌は、アルコールが入っても生味噌です。加熱した味噌は、勿論、生ではありません。
(体に対する影響)については、私は良くわかりません。味わいは違いますが。

Q4、玄米こうじで作る場合、米こうじの時との違いはありますか?また玄米こうじで作る際の注意点等ありますか?
玄米こうじと米こうじの違いですが、玄米のままでこうじを作ることが難しいのです。当社では、玄米麹を作っておりませんので、ごめんなさい。一般論ですが、玄米そのものを使うより、胚芽米を使ったり、精米歩合を少なくして作っているこうじもあります。