組合員活動報告

いのちとくらしの映画祭with藤原辰史講演会

映画祭は第二次コロナ緊急事態宣言が解除された3月7日に神戸市教育会館大ホールで開催し120名の参加をいただきました。

映画「パブリック図書館の奇跡」では、公共の場である図書館を、ある晩、幾人ものホームレスが占拠します。大寒波の影響で凍死者が続出しているが、緊急シェルターは満杯。行き場を失ったホームレスが、明日を生きるため図書館占拠という平和的デモで声をあげたのです。武器を持たない私たちは、非暴力でもユーモラスを拳に込めて声をあげることができる。映画に勇気づけられた方は多いのではないでしょうか。

藤原さんには「コロナが浮き彫りにした『貧困・格差』と『公共』の役割」と題して講演いただきました。藤原さんは京都大学で教鞭をとられ、歴史学、特に農業史と環境史を専門にされています。スペイン風邪(スパニッシュインフルエンザ)と新型コロナの共通点、危機下で深刻な影響を受けるのは社会的に弱い立場にある人達であること。貧困と格差、社会問題の顕在化は新自由主義の限界と分析されます。経済的な利便性が優先され、生命領域まで商品化される現状。食べること、食はもっと面白い場所です。生産者と消費者(食べる人)との交流で生まれる安心感。食を通じて人と人がつながることができる、食は人を結ぶものであることを教えていただきました。藤原さんの書籍「縁食論」のお話にも触れられました。「孤食」と親しい人たちとの「共食」の間にあたる「縁食」(藤原さんの造語)。緩やかなつながり、縁は貧困・格差に向き合い、地域の暮らしを豊かにできると感じました。講演中、書籍「土と内臓」の紹介もされていました。厚い書籍ですがおススメです。映画と講演会を通して、知る、学ぶ、考える。声をあげることの大切さをお伝え出来たのではないかと思います。

いのちとくらしの実行委員会は市民デモHYOGO 、フードバンク関西、コープこうべ、コープ自然派など複数の団体が一緒に貧困問題をテーマに活動を続けています。今年度もいのちとくらしの映画祭を企画します。先月より準備が始まりました。ご期待ください!