お知らせ

種苗法改定に関する国会審議中止の申し入れ

私たちコープ自然派は、日本の食と農と環境を守り「誰もが有機農産物を食べることができる社会」をめざす生活協同組合です。現在、上程されている種苗法改定案は、農家から自家増殖の権利を奪い、小規模農家の経営を脆弱化させるもの、種苗開発企業の利益を守るためのものであり、日本農業の多様性や持続可能性が失われることを強く懸念します。これはGM(遺伝子組み換え)企業の種子独占を許し、日本の食料主権を脅かすものとして捉えています。

新型コロナ対策に追われ、緊急事態宣言が継続されている状況下で、このような重要な法案の審議はやめてください。

新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、ヒト・モノの移動制限は生産活動を弱め、世界各国は自国優先の食料政策に転じようとしています。食料自給率37%の日本はこれから食料安全保障上の大きな難問に直面しそうです。これから日本は食料自給率を向上させるために、種子生産を含む食料生産の基盤を、早急につくらなければなりません。農家の自由な種子生産を妨げかねない今回の改定案では、食料自給率向上を達成させることはできません。

また日本農業は小規模農家によって成立し、農家は自家増殖することで、安全でおいしい農産物をつくり、地域の食文化を守ってきました。今回の種苗法改定によって、私たちは食文化の基盤を失うことになりかねません。

コープ自然派奈良で集めている『種苗法「改定」の中止を求める請願署名』は現在600筆を超え、地域農業や農家、消費者の権利を守り、安定した農作物・食料を確保する観点から懸念が広がっています。

このような食料生産のあり方を理解するならば、種苗法改定については新型コロナが収束した後に、農業関係者との十分な議論を踏まえて、情報公開のもと、日本国民の利益に供するものとなるように国民的立場に立った国会審議を望みます。

生活協同組合コープ自然派奈良


(コープ自然派奈良は5月13日、奈良県選出の国会議員に対し、以上のとおり申し入れを行いました。)