• 地域循環(循環型農畜産業)

CO2などの温室効果ガスによって、地球全体の平均気温が上昇する現象である地球温暖化。生きものの絶滅など多様性の消失がすすみ、海では魚類の回遊経路や産卵場の変化、浅瀬での藻場の大量喪失が懸念されています。昨年3月には、「砂漠海域」の拡大についての発表が米国海洋大気庁より出されました。高い水温で植物プランクトンの現存量が少なく、生きものが命を繋ぎにくいと考えられる海域(陸上の「砂漠」のような場所)が予想を上回るペースで拡大しているという内容で、水産資源の危機といえる状況が迫ってきています。

コープ自然派の生産者の中には日々の仕事の中で海の変化を感じ取り、資源保護の必要性を痛感している生産者がいます。そして豊かな海を次世代に残そうと取組をすすめている生産者がいます。組合員である私たちも、海を守る生産者の取組を支持しつつ、自分たちにできることを考えていきましょう。

わかめの養殖と海の変化

養殖を始めた1971年当時は葉が2mほどに成長していたわかめですが、海水温や栄養の影響か、現在では1m40cmくらいにしか成長しません。

  
また、ハギやアイゴにつままれる程度だった魚による食害も、チヌなどに全て食べられるようになりました。これまで見られなかった海藻も繁殖するなど、生態系の変化を感じます。

  
美味しいわかめを持続可能にするため、他の海域や漁業者の取組も聞き取りながら試行錯誤の日々です。今年の採取期後の4月初旬には、漁師さんの協力を得て、海底に沈殿した栄養を船の錨で攪拌(かくはん)しました。種づけ前の10月にも行う予定で、今後も挑戦が続きます。

仁木 亀美生さん

  

生わかめ(塩蔵)

  

渦潮で有名な鳴門の海で育った、コシの強いわかめです。塩蔵ですので塩抜きしてお使いください。

希少になる瀬付きあじ

山口県ブランドの「瀬付きあじ」は、年々漁獲高も減少し、浜の値段も2倍~3倍に高騰し高級魚になりつつあります。世界全体で他の水産資源も非常に危機的状況にあり、人と食と海の環境を守る上で、日本マリンフーズでも水産資源の「持続可能な利用」に向けて、適切な買付けを行い資源管理の促進に取り組んでいきます。

  

日本マリンフーズ 小瀬良 尚徳さん

  

瀬付きあじサクサクフライ

  

瀬付きあじを三枚におろし国産小麦のパン粉でフライにしました。食べやすい半身タイプです。5 ~8枚入。

森・川・海の保全と秋鮭

北海道漁連では、近年水揚げの減少が著しい秋鮭の資源回復に向けて、環境保全活動に力を入れており、そのひとつとして、秋鮭の遡上する河川の水質調査を行っています。河川流域の工事や事業場排水などにより、水質に問題が生じている場合、原因者と協議し、環境保全に努めています。

  
また河川の環境保全には、たくさんの栄養を与えてくれる山の木々の存在も欠かせません。北海道漁連では各漁協の植樹活動を支援しており、これまで累計120万本を植樹してきました。たくさんの秋鮭が北海道の河川に帰って来られるよう、これからも環境保全に尽力して参ります。

  

北海道漁連 谷藤 誠斗さん

  

自然派Style鮭フレーク

  

コープ自然派でしか買えない、塩こうじ入りのオリジナル鮭フレーク。塩加減がまろやか。

ホタテの資源管理

海の恩恵が資本の北海道雄武町。「生活の為の乱獲」の影響か、1980 ~ 1990年代以降水揚量が減少して漁協の存続も危ぶまれました。「子に孫に繋がらない漁業」に疑問と不安を抱き、「守る漁業」・「継続的漁業」の考えが浸透してきました。

  
ホタテでは、海で採取した貝の幼生を3 ~ 5cmの稚貝に育てて放流し、漁獲海域を4区画に分けて毎年1区画ずつ水揚げする取組が定着しています。今では、地元の子どもたちが稚貝放流を恒例イベントとして体験するまでになりました。今後も「自然と共存を約束」した漁法のホタテ貝柱を組合員の皆さんにお届けしたいと思っています。

雄武漁協 大美 光弘さん

  

ホタテ貝柱(生食用)

  

甘みと歯ごたえが一番良いオホーツク海の4年貝です。

原木椎茸を選ぶ


循環型農林業である原木しいたけの栽培。ナラやクヌギなどの広葉樹の木を伐り、それを「ほだ木」として利用し、しいたけの栽培を行います。『木を伐る』ことは森を若返らせ、未来に森を残すことにつながります。

  
広葉樹の落葉はきのこなどの菌で分解され、山自体の養分(腐植土)となり木を育てます。そして雨で流れた養分は海へと流れ込み、豊かな水産資源を育みます。

  


菌興115号どんこ

  

原木栽培された厚肉品種の菌興115号に限定。115号は、肉が厚いだけではなく、歯ごたえと香りは他の品種を上回る独特の味わいです。

  


われかけ葉(乾しいたけお徳用)

  

原木栽培のお徳用乾しいたけ。割れたり欠けたりしていますが、おいしさには差がありません。

有機野菜を選ぶ


田んぼや畑は森の養分を含んだ『川』の水などを利用し、利用した水は最終的には海へと流れていきます。森と海の中間に位置する農業は、環境負荷をかけないことが大切です。

  
有機農業は土づくりを基本とする持続可能な農業です。化学合成農薬・肥料の使用は認められていません。また、炭素を土壌に固定する有機農業は地球温暖化の対策にもつながります。

有機ピーマン

  

苦みが少なく甘みがあるジューシーなピーマン。

有機なす

  

なすの紫色の色素は「ナスニン」というポリフェノールの一種です。

カート缶を選ぶ

国土の3分の2が森林で覆われている日本ですが、安価な外国産の木材を輸入しており、国産材の利用がすすんでいません。カート缶は原料として国産材(間伐材や端材などの国産木質バイオマス資源)を30%以上使用しています。カート缶を利用することが森を育てることにつながります。

  

有機アップルキャロット

  

有機栽培のりんごと国産有機にんじんの自然な甘みが美味しいジュースです。

  

有機フルーティーMixジュース+野菜

  

果汁を85%使用。砂糖・食塩不使用の有機JAS認証ミックスジュースです。

公開:2021年7月5日
商品案内16号[2021年7月3回]掲載

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