• 国産派宣言

「酢 」酢酸菌

お酢は様々ある調味料の中でも数少ない、余計なものが添加されない調味料です。「純米酢」と米酢の前に「純」が付いてれば米以外には水しか使用されていません。しかし市販の米酢では、枠で囲んだ表示欄に「醸造アルコール」との記載があれば、米以外にトウモロコシから造られた醸造アルコールが添加されています。

  
話を製造に戻しますと、当商品は静置発酵法により醸造されています。静置発酵は醸造に日数がかかるので通常の市販商品は通気発酵法で醸造されているのが一般的です。静置発酵は静かに置いた状態で発酵(醸造)を進めることであり、通気発酵法では発酵装置を使用しますので強制的に発酵させる方法をとります。その為、静置発酵では醸造期間が40日前後かかりますが通気発酵法では2~3日で米酢となります。

  
通気発酵法の様に短期間での発酵は味に丸みが感じられず、香りにも酢酸特有の角が感じられるものとなりますが、静置発酵では風味が丸く仕上がります。

  

マンネン酢 久保好弘

  

氷温(-2~-5℃)で貯蔵熟成
静置発酵の様子


自然派Styleマイルド純米酢

  

国産米をじっくり丁寧に醸造・熟成させました。

「醤油 」麴菌・酵母菌

「醤油」といえば発酵食品ですが、発酵と言っても複雑な発酵をしています。まずは蒸した大豆と炒って砕いた小麦に種麹を加えて「麹」を作る、コウジカビの発酵があります。大豆や小麦のタンパク質やデンプン等がコウジカビによって食べられ、分解されます。

  
その後、出来上がった麹と塩水が混ざって「もろみ」になり、そこから乳酸発酵とそれに続く酵母の発酵がおこります。コウジカビによって分解された大豆や小麦を乳酸菌が食べ、さらに分解されたものを酵母が食べてゆきます。「もろみ」に空気を入れてかき混ぜることで菌・酵母が働き、醤油の風味を醸しています。

  
コープ自然派の醤油では乳酸菌や酵母は蔵の建物や桶に住み着いていて自然に発酵します。醸造学上では数種類の菌・酵母がいれば醤油が出来上がるのですが、蔵や桶にはたくさんの菌・酵母が住み着いていて、それらが複雑な風味を醸し出しているのです。

  

ヤマヒサ 植松勝久

  

蔵の様子


天然醸造杉樽仕込み醤油・こい口

  

お刺身、冷奴などのかけ醤油から、煮炊きものまで幅広くお使いいただけます。


天然醸造杉樽仕込み醤油・うす口

  

遺伝子組み換えのない国産丸大豆を使っています。素材の色を生かしたいお料理に。

「料理酒」麹菌・酵母菌

私たちの身近には沢山の発酵食品があり、食にとって欠かせないものです。発酵食品が無ければ味気ない食卓になってしまうでしょう。醤油や味噌・みりん等、調味料の多くは麹(糀)を利用しています。

  
麹菌という小さな菌のチカラを利用し、お米などのデンプンを甘い糖に変え、大豆などのタンパク質を旨みたっぷりのアミノ酸に変えてくれています。これだけ頑張る麹菌はなんと日本の国菌なのです。日本酒は麹菌と酵母菌の2つの菌を利用したスペシャルな発酵食品。「ツルをよぶ純米料理酒」は通常の日本酒造りより多くの麹を使い旨みを引き出しています。また発酵途中に甘酒を加える事で、お米の優しい甘さをプラスした、発酵のチカラが沢山詰まった純米料理酒となっています。

  

茨木酒造 茨木幹人

  


ツルをよぶ純米料理酒

  

「自然派Styleツルをよぶお米(省農薬)」を使用したこだわりの純米料理酒。

「塩こうじ」麹菌

塩こうじには原料のコシヒカリ米「ツルをよぶお米」を原料に「発酵室」で3日間「糀」を作ります。この糀で出来た力のある酵母がより一層力強い酵素を生み出し様々なお料理の旨みの力となります。また、塩糀には生きた微生物にフル活動してもらう為に塩分を少なくし、また高温加熱処理をあえて行わず、皆様のもとにお届けしています。

  
生きた微生物は生きる力の素となります。生きものなので、本当にそう育つまではきめ細かな配慮が必要で、例えば蒸す工程の蒸気の量や室の室温と外気温の差、手入れの時の加減など、本当に多くのことを立派な糀に育つまでに耳や手、糀の香りなど伺いながら育てています。これからも、一人でも多くの方に当社の微生物君!「塩こうじ」を使っていただけるように日々、切磋琢磨していきます。

  

濱醤油醸造場 濱眞理子

  

室の中の糀

濱さんとこの塩こうじ

  

産直米「ツルをよぶお米」を使用。料理に少し加えるだけで、食材の旨みを引き出します。

「みそ」麹菌・酵母菌

「自然派Style信州生みそ」は、昔ながらの製法で酵素や酵母菌が死滅しないようにみそを醸造しています。一般的な常温便で流通すると、生みそは酵母菌がいきているので、包装後も発酵が続き、その際に炭酸ガスも生み出されます。炭酸ガスはパッケージを膨らませ、ついには破裂させたりします。それを避けるために、冷蔵流通させて生みその酵母菌、酵素が失活しないように休眠状態(眠っている状態)にします。

  
しかし、市場には昔ながらの製法ではない、加熱殺菌されたみそが存在します。加熱殺菌されたみその酵母菌や酵素はほとんど死滅しています。「自然派Style信州生みそ」は、国産原料使用、未加熱のため酵母菌や酵素がいきている、冷蔵流通でできたての味を皆様にお届けしている生みそです。

  

マルモ青木味噌醤油醸造場 青木孔之介

  


自然派Style信州生みそ

  

国産大豆・米を使用。酵母や酵素が活きています。

「キムチ」乳酸菌

キムチに含まれている微生物の一種である乳酸菌は「植物性乳酸菌」で、胃酸に強く生きたまま腸に届く割合が高いため、腸の働きや免疫力を高める働きに優れていると言われています。キムチに使われる調味料・ヤンニョムの原料であるアミエビには重要な栄養成分である動物性乳酸菌が豊富に含まれており、この乳酸菌が白菜などの野菜に移り植物性乳酸菌として発酵増殖すると言われています。

  
乳酸発酵により過程でガスが発生しますが、この発酵が進むほど密封容器の場合は膨張します。元気な乳酸菌と言われておりますので、密封容器の場合は膨張度合いで発酵の進み具合を知ることも出来ます。市販のキムチにはこのアミエビを使用せず、人工的に発酵を促したり、よく似ているオキアミ(プランクトン)を使用しているものもありますが、弊社では一匹ずつ目視でチェックしたアミエビを使用し、キムチのヤンニョムを作っています。

  
また、イワシの魚醤(魚介エキスで味の決め手になります)を毎年自社で製造し、熟成・発酵させて原材料として使用しています。お好きな発酵具合でお召し上がりいただきたく浅漬けで提供しているキムチですが、すでに発酵させたものを使用しておりますので、弊社のキムチも立派な発酵食品となります。

  

魚谷キムチ 魚谷美蘭

  

塩漬けの様子

ファミリー白菜キムチ

  

辛さひかえめで食べやすい、こってりした味わいです。

公開:2023年2月6日
商品案内47号[2023年2月4回]掲載

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