組合員活動報告

春日山原始林を歩く会

■開催日:2022年5月25日
■場 所:春日山原始林
■主 催:北東和地区くらぶ準備会

当日は曇りがちの晴天と絶好のハイキング日和となりました。参加者5名とスタッフ3名、そして本日のガイド、
杉山拓次さんは「春日山原始林を未来へつなぐ会」に所属しガイドウオークや春日山原生林の保全活動をされています。今回は、春日山原始林の遊歩道入口から若草山山頂に出て下山する、比較的歩きやすいコースです。
春日山の木々は古く奈良時代には平城京の建材として使われ、小川には氷室もあったそうです。平安時代には神域とされ、一般の入山は禁止されました。現在の遊歩道は昭和の初期に造られたものだそうです。
そのため、手つかずの森となり、ルリタマコガネやイナモリ草などの固有の昆虫や植物が生息しています。春日山にはシイ、カシなどの照葉樹が多く夏は涼しく冬も落葉が少なく年中うっそうとしています。木の伐採が禁止されていたため古い木も多く、樹齢450年の切り株を見ることができました。また、スギ、モミ、ツガの針葉樹も見られ、フジなどのつる性植物が絡みつく姿やシダ類など多様な植物の姿が見られます。
道中、森の中で杉山さんの指導でストレッチをして森の澄んだ空気の中で深呼吸をしてリフレッシュできました。
また、春日山原始林ではキクイムシが木に入り込み照葉樹が枯れてしまう「ナラガレ」という現象が起きています。また、熊野灘から移植された「梛(ナギ)」やナンキンハゼ等、鹿が食べない植物の分布が広がっています。
森林を創生期→充実期→衰退期に区分すると春日山原始林は衰退期に入っているそうです。若い木々が成長し、伐採され、適切な生態系を維持するには人の手による維持管理が必要で、それが里山だということです。
若草山の山頂では奈良市街の絶景を皆でのぞみ、記念撮影をしました。下りは杉山さんが用意した杖を借りて楽に下山することができました。お互い声を掛け合い助け合って楽しく行程を終えることができました。

奈良市街から歩いて行ける世界遺産「春日山原始林」。ガイドの杉山さんに一つ一つ解説していただきながら多くの事を学ぶことができました。