活動レポート

2021/3/11 100%自然エネルギー社会実現へ向けて今から私達にできること

2021.5.3

■理事会

東日本大震災・福島第一原発事故から10年、事故を批判するだけでなく、建設的に脱原発を進めていくための活動につなげたいとの思いから、機械工学エンジニアの藤本浩嗣さんを講師にお迎えし講演会を開催しました。藤本さんはかつて原子力発電所の事故対応など炉内で働くロボットを現場の最前線で開発されていました。しかし、3.11の事故で安全神話の崩壊を実感。以来、安全でクリーンかつ脱炭素に向かう発電方式の開発が必要になると考え、現在は自然ネルギー分野に方向転換し活躍されています。

藤本さんが関わってきた製品の技術的な面と、世界の自然エネルギー技術に関する動向、再生可能エネルギーやバッテリー等の紹介、そして来たる未来に向けてのお話をしていただきました。

太陽光発電だけでなく、風力発電やバイオマス発電・水力発電・燃料電池・蓄電池・水素など、代替(自然)エネルギーの解説と、事例紹介をしていただき、とても勉強になりました。

世界の事例紹介では、国の95%の電力を水力発電所で生産するノルウェーのおしゃれでデザイン性の高い建物に驚きました。ノルウェーは日本と同じくらいの国土に500万人しか人口がいないので同列には語れませんが、自然との調和を意識したデザインは素敵だなと思いました。

また藤本さんが携わった垂直軸式洋上風力+潮流+波力+太陽光発電+蓄電池のハイブリッド発電機が3.11の教訓を経て「止まらない発電所」として開発されましたが、タイミングの問題か日本では開発が打ち切られてしまったのが残念に思われました。垂直軸式風力発電はバードストライク等の環境問題にも優しそうなので、研究が進んで欲しいです。

「エネルギー問題は今の生活に密着したのものですが知らないままに過ごしていることの多さを痛感した」というアンケートもいただきました。政府は「2050年脱炭素宣言」を掲げていますが、2030年の目標では原発を20%~22%と、2019年時点で6%である原発の割合を増やす数字を発表していることは、藤本さんも「大きな矛盾」と言っておられました。世界は確実に脱原発に向かっており、新設は有り得ないでしょう。市民の声が社会を変える力になるので、注視し声を上げなくてはなりませんが、その時に私達が知っておきたいのは、代替エネルギーがあるということです。

今世界でも積極的に研究されている技術の一つに「水素」があります。日本でも使用済みプラスチック由来の水素エネルギーを使う世界初のホテルが神奈川県川崎市にオープンしているそうです。また国をあげた水素戦略の研究施設として福島県に「福島水素エネルギー研究フィールド」という広大な施設も立ち上がり、資源のない日本がいかにしてエネルギーを生産していくのか、より広く情報を集め、注目していかなければならないと思いました。