オーブは幼い頃から、畑と台所と母の愛情たっぷりの料理が大好き。

環境活動家の母は家庭菜園を通して、娘たちに“食べ物の背景”を伝えたかった。オーブが都会で一人暮らしを始めたその年、最初の「GM食品」が市場に出回る。多くの国はGMの表示義務を設けたが、カナダとアメリカは設けなかった。除草剤でも枯れない大豆やナタネ、殺虫能力をもつトウモロコシ。

GM関連の本を読み進めるうち、大企業の特許によって、農家が“たねを採る自由”を奪われていることを知る。実家の周辺ではGMの大豆やトウモロコシが増える一方だった。

何が起きているのかを知るべく、オーブはカメラを携えて外の世界へと向かっていった。