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元気でおいしい野菜を育てるのに欠かせない土づくり。土の中には目には見えない微生物がたくさん棲んでいます。生産者さんは肥料や堆肥にこだわり、微生物による〝発酵〟を促すことで、豊かな土壌環境を作り上げます。こだわりの土づくりが引き出す野菜本来の「おいしさ」をぜひ味わってください!
さまざまな菌が活躍しています!
発酵は納豆などの食品だけでなく、農作物を育てるのにも欠かせないものなのです。農薬を使うとこれらの菌が湿度の高い日本を含む いなくなってしまいます。
こうじ菌
カビの一種。ふわふわの菌糸を持つことから、糸状菌とも呼ばれます。発酵の第一段階の糖化作用で活躍します。
湿度の高い日本を含む いなくなってしまいます。東アジア、東南アジアに生息しています。 |
納豆菌
枯草菌(こそうきん)の一種。刈草の表面や枯草に生息し、納豆を作るのにも使われます。大きな有機物の分解速度を上げる役割をします。
乳酸菌
嫌気性(空気のないところでも活動できる)微生物。糖を分解することで乳酸を作り出します。雑菌を抑える効果があります。
酵母菌
分解された有機物をアミノ酸やビタミン、ミネラルなどの栄養成分に合成します。嫌気的環境では、アルコール発酵によって二酸化炭素を放出し、土壌をほぐします。
菌のチカラを農業に活かす生産者の皆さん
みむら楽農 三村伴春さん

有機栽培では化学農薬を使用しないため、病気や害虫の発生を抑えるために、土づくりが重要です。
自家製堆肥には、根の成長を助ける微生物や、土壌中の病害虫の発生を抑制してくれる微生物が含まれており、これらが土壌の健康を保つことで元気で肌つやの良い大根を育てることができます。また、堆肥の力を引き出すために、灌水(作物に水を与えること)や耕耘(畑を耕して雑草を除去すること)のやり方にもひと手間加えながら、大根のための土づくりを実践しています。

大根1/2本
できるだけ農薬の使用を抑えた大根です。
村上活芳さん

熊本県菊池市で有機ごぼうの栽培をしている村上です。ごぼうは根を深くまで伸ばす作物であるため、土の中は空気が少なく、酵素のない嫌気的な環境になりやすいという特性があります。そこで活躍するのが、30年以上作り続けている自家製のぼかし肥料。地元産の米ぬかを原料に、乳酸菌を加えて嫌気発酵させたものです。乳酸菌の抗菌作用が土の中で働くことにより肥料の腐敗を防ぎ、ごぼうが養分をしっかりと吸収できる環境を整えてくれます。
健康に育ったごぼうは香り高く風味豊かな仕上がりとなります。

有機ごぼう
旨みと香り・風味抜群!食物繊維やポリフェノールが豊富。
肥後あゆみの会 澤村輝彦さん

河原で刈り取った葦や萱を約3年の月日をかけて微生物が分解した「野草堆肥」を畑全体に入れています。この堆肥を撒くことで病害虫予防にも効果があります。また、裏山の土着菌(その土地に棲みついている様々な菌のこと)の力を借りて魚粉や米ぬかなど発酵させた「自家製ぼかし肥料」を使っています。竹の子や山菜、クレソンなどを甕(かめ)の中に入れて微生物の力で発酵させた「天恵緑汁」は、植物の生長する生命力を抽出した天然のエキスです。これらは、地域の資源を利用した自家製の肥料で、トマト本来のうまみを引き出してくれます。
良いものを育てるコツは「植物も人間も同じ」。過ごしやすい環境をととのえ、風土にあった育て方をすることが大切です。

有機トマト
土の力を最大限引き出す有機農法で栽培。「甘み・酸味・香り」が良いです。
中庭Farmers いそベジ農場・磯辺和明さん

野菜づくりにもたくさんの菌が活躍していますが、特に気にしているのは酵母菌です。堆肥まきの時に一緒に酵母菌も散布します。堆肥の炭水化物を酵母菌が利用するとアルコール発酵をして、パンが膨れるように土がフカフカになります。
さらに、つくられたアルコールはのちに酸化して酢になるので、酢の酸で土に加えているミネラル肥料が溶けて植物に吸収されやすくなります。それによって、野菜の光合成能力が高くなり、結果として無農薬でも病害虫に強い野菜になります。

春菊
香り高く、えぐみや独特のアクはほとんどありません。サラダがおすすめ!
長有研 村上秀樹さん

私の畑では牛ふん堆肥にきのこの廃菌床などを混ぜて作られた堆肥と有機肥料を使用しています。この堆肥を使うことで微生物の働きが活発になり、土をふかふかにして作物が育ちやすい畑になります。しかし、雑草などにも良い環境を与えるため、雑草も勢いよく伸びてしまいます。
長有研では農薬に頼らず、それらもすべて人の手で取り除き、作物だけを大事に育てていきます。化学肥料を使った畑に比べると生育も遅く手間もかかりますが、有機資材を使うことで野菜が持つえぐみが消え、甘みが強くなります。

新たまねぎ
辛み成分が少なく、甘みのある新たまねぎはこの時季ならではの味わい。
公開:2025年5月5日
商品案内8号[2025年5月3回]掲載