「米国産生ジャガイモの全面輸入解禁に反対し、食の安全と日本の農業を守るための緊急声明」を農林水産大臣宛てに提出

2026/8/31

8月のコープ自然派・オレンジコープ事業連合理事会にて「米国産生ジャガイモの全面輸入解禁に反対し、食の安全と日本の農業を守るための緊急声明」を農林水産大臣宛てに提出することが採決されました。

私たちコープ自然派・オレンジコープ事業連合は、関西・四国の2府8県で活動する生活協同組合のグループです。「国産派宣言」を基本スローガンに、日本の農業と食料自給率を守り、食と農と環境を一体として有機農産物を推進し、持続可能な地域社会をめざして活動しています。

現在、農林水産省は米国産生ジャガイモの全面輸入解禁に向け、植物防疫法省令の改正手続きを進めています。私たちは、消費者の食の安全・安心と国内農業の生産基盤を守る立場から、この全面輸入解禁に強く反対します。

これまで、加工用生ジャガイモの輸入拡大に加え、輸送時に使用される農薬の取り扱いや残留基準、GM・ゲノム編集ジャガイモをめぐる規制・表示など、食の安全と消費者の選択に関わる制度変更が重ねられてきました。今回の全面解禁は、こうした流れをさらに進めるものであり、私たちは看過することができません。

米国産生ジャガイモの全面輸入解禁に反対し、食の安全と日本の農業を守るための緊急声明

1.病害虫の侵入から国内の生産基盤を守ること

米国産生ジャガイモの輸入解禁は、国内では発生していない病害虫が侵入・まん延するリスクを高めます。2015年に発生したジャガイモシロシストセンチュウでは、10年を経ても作付けできない圃場が残っています。一度侵入を許せば根絶が極めて困難な病害虫については、侵入を未然に防ぐことが何より重要です。

生産基盤が損なわれれば、国内の農業だけでなく、食料自給力そのものが低下します。目先の輸入拡大ではなく、国内で安定して生産できる農業を守る政策を求めます。

2.食の安全を後退させる規制緩和を繰り返さないこと

米国からの生ジャガイモ輸入をめぐっては、輸送時の防カビを目的とするジフェノコナゾールについて、食品添加物として使用が認められ、残留基準値も0.2ppmから4ppmへと大幅に引き上げられました。ジフェノコナゾールは動物実験で発がん性や神経毒性が指摘されている農薬です。また、米国産ジャガイモには、EUで使用が認められていない発芽抑制剤など、国内生産では使用されていない農薬が用いられる場合があります。

国際交渉や輸入拡大を理由として、食の安全に関わる基準を後退させることがあってはなりません。消費者が安心して食品を選択できる制度を維持・強化することを求めます。

3遺伝子組み換え(GM・ゲノム編集食品について、消費者の知る権利と選択権を守ること

米国ではGMジャガイモが流通しており、日本でもすでに複数のGMジャガイモが認可されています。また、ゲノム編集ジャガイモについても、今後、生鮮品や加工原料として流通が拡大することが懸念されます。表示義務のない外食や加工食品では、消費者がその原料を知ることが難しい実態があります。食べる・食べないを自ら判断するためには、十分な情報が提供されることが不可欠です。

GM・ゲノム編集食品について、安全性の検証と情報公開を徹底し、消費者の知る権利と選択権を保障することを求めます。

4.国内農業と食料安全保障を守る政策への転換を

生ジャガイモの輸入拡大は、単に一品目の輸入問題ではありません。国内の生産基盤を弱体化させ、海外からの供給に依存することは、将来の食料安全保障にも関わる問題です。

国内で農業を営み、安定して食料を生産できる基盤があってこそ、消費者の安心した食生活は成り立ちます。国際交渉においても、食の安全と国内農業を後退させることなく、日本の食料安全保障を守る政策を求めます。

【要請事項】

1.米国産生ジャガイモの全面輸入解禁に向けた植物防疫法省令の改正および関連手続きを中止すること。
2.ジフェノコナゾールをはじめとする農薬・食品添加物の使用・残留基準について、安全性を改めて検証し、食の安全を最優先とした制度運用を行うこと。また、GM・ゲノム編集食品について、十分な安全性審査と消費者への情報提供を徹底すること。
3.病害虫の検疫・防疫体制を強化するとともに、国産ジャガイモの安定生産と国内農業の生産基盤を守り、食料安全保障を強化する政策へ転換すること。

以上


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