第9回 簡単、楽チン、重ね煮クッキング

2025/2/7

梅﨑和子さんのいのちをはぐくむ離乳食講座

 普段の食事から取り分ける楽チン離乳食をスタートさせるにあたって、私が紹介したいのが「重ね煮」という調理法です。重ね煮クッキングに特別な知識や調理器具は必要ありません。ふたがきちんと閉まる鍋が一つあれば大丈夫。つくり方はとっても簡単。材料を切って、鍋に重ねて煮るだけです。ちょっと料理が苦手だなという方でも失敗しません。簡単だから、忙しいお母さんでもきっと続けられますよ。

重ね煮クッキングのポイントを挙げておきます。

①旬の食材を使いましょう
旬の野菜にはそのときの気候や環境にちょうど良い栄養分がたっぷり含まれています。寒い冬の時期は身体を温めてくれる根菜類、夏は火照りを覚ましてくれるウリ科やナス科の野菜を使いましょう。

②食材を丸ごと食べましょう
皮もアクも取りません。野菜の栄養は皮の部分はたくさん含まれ、アクはポリフェノールの宝庫です。たくさんの野菜「重ね煮」で調理すると、一品では主張が強い野菜も味がまあるくなっておいしくいただけるようになります。農薬や化学肥料を使った野菜は避け、新鮮で安全な野菜を選びましょう。

③葉菜は下に、根菜は上に重ねましょう。
葉菜には水分が多く、上に伸びる傾向があります。逆に根菜は土の中へ伸びていきます。「重ね煮」ではこの自然のエネルギーを逆利用してしまうのです。土の上に育つ葉菜などを下に、土の中に育つ根菜などを上に重ねて調理すると、素材の味が鍋の中で調和し、とってもやさしい味になります。

④味付けはシンプルに
「重ね煮」は素材の味を生かす調理法です。だから味付けはできるだけシンプルに。昔ながらの調味料である、塩、しょうゆ、みそだけでもおいしい料理が仕上がります。

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