第13回 障碍者支援に向けた法人を設立 社会福祉法人 野のはな
2025/12/15
第1号の「みのり」が動き出した2001年、やり残した課題の解決に向けて歩み出しました。それは認知症の高齢者や障碍者への支援に向けた新しい法人の設立でした。この時期に障碍者への支援ができるのは社会福祉法人だけ。生協では手が出せなかったのです。しかし、法人設立の認可を受けるには幾つものハードルを超えなければなりません。事業を行うための基本財産(土地)があること、役員に地域の代表や学識経験者・福祉経験者に就任してもらうことなどです。
土地は「みのり阪南」の敷地の一部を寄付することにしました。代表役員に泉南生協理事長の西尾京子さん、理事には田口守隆さん(大阪体育大学学長)、山名伸作さん(阪南大学学長)や笠原などが就任するとして申請書類を作成。その内容で大阪府庁に手続きに行ったら担当者が目を丸くして驚いていました。役員に縁戚関係のある人が一人もいない、おまけに大学の学長が二人もいる。こんな法人は聞いたことがないという話でした。
2003年春、地下1階・地上3階建ての建物が完成。法人の名前は「野のはな」としました。ここには認知症の人でも受入れ可能なグループホームとデイサービスセンターを配置。障碍者については生協本部の1階を改装してチラシ印刷やファイル詰めの仕事をしてもらうことにしました。
その後、2005年に自立支援法が施行されて障碍者の福祉政策も根底から変わりました。介護保険と同様に「措置」から「契約」への流れが導入されたのです。その結果が現在の就労支援に繋がっており、訓練を積んだ障碍者たちが「野のはな」から就職していきます。もちろんその中には泉南生協への就職もあります。

