第18回 「森の小径」のチンチン電車

2026/1/26

 「森の小径」の花壇の先には線路が1輌分敷かれており、チンチン電車が鎮座している。堺と天王寺・恵美須町を結ぶ路線、大阪の南部に暮らす人にはお馴染みの阪堺電車だ。車輛の中はテーブルが並べられ、貸切で予約したらそこで食事をすることができる。食後の定番は家族揃っての記念撮影。中にはカラオケ大会で時間を過ごす常連もあるという。

 電車を大阪から現地に運ぶのは一苦労だった。まず警察に届けをだすことが必須だったと思う。こんな大きな「荷物」は深夜の限られた時間帯しか運搬できないのだ。しかもスピードが出せる訳でなし、大型のトレーラーで牽引してゆっくりゆっくりしか動かせない。もっと大きい最近の電車はどうやって運んでいるのだろうか?以下に電車の中に掲示してある「モ168号」の紹介文を記す。

 「阪堺電気軌道161型電車 モ168号」
 この路面電車は1928年(昭和3年)に川崎車輛(現在の川崎重工業)の兵庫工場で製造されたものです。当時の運賃は2銭。最先端の技術が採用され、連結運転もできました。また、内装には家具に使われる高級木材のチークが用いられており、モノ作りへの意気込みが感じられます。

 阪堺電気鉄道で運用を始めてからは、阪堺線(恵美須町~浜寺駅前)、平野線(今池〰平野)、上町線(天王寺駅前~住吉公園)を走り、最盛期には1年に50万人以上の旅客を運びました。88年間の走行距離は地球100周分を超えます。

営業運転している電車では日本最古の車輛でしたが2016年に引退。新しい車輛に道を譲り、第二の人生を送るべく「森の小径」にやってきました。

「阪堺電気軌道161型電車 モ168号」

コラム『野のはなとともに』の記事一覧