第20回 訪問診療のためのネットワーク ゴールドライフ

2026/2/9

 「みのり」や「おひさま」の入居者は「ゴールドライフ」の医師や歯科医師の訪問診療を定期的に受けることができる。また、それ以外にも鍼灸師、柔道整復師、理容師、美容師など多彩な職種の専門家が通ってきてくれる仕組みができている。

 2004年、笠原が「みのり」について講演した時に声を掛けてくれたのが中村医師。自分たちは大阪市内で訪問診療をしているが、力を合わせて一緒にやらないかということだった。詳しい話を聞くことになって中村クリニックを訪ねて出会ったのが同僚の小林医師と櫻井医師。3人は大阪・森の宮にあった府立成人病センターで共に勤務していた仲で、クリニック周辺や愛隣地区を訪れてアルコール依存症や末期がんの患者を診ているという。すごい医者がいるもんだと感心したが、さらに驚いたのは「櫻井くん」。彼は母親の実家の二軒隣の子で、小学校時代に遊んだ幼馴染だった。彼も笠原という名を聞いてもしやと思っていたとのこと。まさしく縁は異なものと地でいく40数年ぶりの再会だった。

 「ゴールドライフ」という名は関西風のノリで決まった。高齢者はシルバー世代と呼ばれるけどシルバーはくすんでくる、ずっと変わらんゴールドの方がええ。名付け親はその「櫻井くん」だった。

 この仕組みを作った時に苦労したのが訪問診療を制限するルール。健康保険を使って往診を受けられるのは半径16キロ以内と決まっている。その円内に拠点となる診療所を置く必要があるのだ。仕方なく貝塚の「みのり」を建てた時に、道路に一番近い場所に診療所を設置して往診日に備えることにした。

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