放射能検査

出荷基準は「不検出」が原則。
検出が確認された場合は、直ちに供給をストップします。
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コープ自然派は「子どもを放射能被害から守る」姿勢であり、『内部被ばくにおいてしきい値※2はない』という考えのもと、徹底した放射能検査を行い、その結果や産地情報を公開しています。


※1 原木しいたけなど原因が確認されている一部の商品はお知らせの上で、供給を行うことがあります。
※2 ある値以上で影響が現れ、それ以下では影響が現れないとするもの。

独自の放射能検査と検査結果の公開を続けていきます。

2011年の東日本大震災による福島第一原発事故で大量の放射性物質が海に空に大地に拡がりました。環境中に放出された放射能物質は、今後も長期間にわたり、食べものと一緒に体内に取り込まれる「内部被ばく」を起こし続けると考えられます。


コープ自然派では放射性物質をできる限り取り込まないよう、事故直後より食品の放射能検査と情報公開を行ってきました。

2021年現在、「ガンマ線スペクトロメーターEMF211」2台、そして検出精度がさらに高い「ゲルマニウム半導体検出器GC2520」1台の合計3台の機器により、週当たり約100検体、検出限界値は3Bq/kg以下を目安として測定を行っています。

ゲルマニウム半導体検出器

大量に放出された放射性物質

政府は福島第一原発から放出された放射性物質(セシウム137)は、広島に投下された原子爆弾の168個分にあたるとの試算結果を公表しています。
実際にはその数倍の量だったとの推測も。
大地が汚染され、いまも大量の汚染水が発生し続けています。

食の安全の脅かす内部被ばくって?

被ばくには2種類あります。

・外部被ばく:体外にある放射性物質から放射線を受け被ばくすること
・内部被ばく:放射性物質が体に取り込まれ、体内から放射線を浴びること

放射線には、ガンマ線(γ線)、ベータ線(β線)、アルファ線(α線)など色々あり、その種類によって、空気中や人体中の通りやすさが違います。

アルファ線、ベータ線は力が強く、空気中の分子を壊して力を失うのでそれほど飛ばず、外部被ばくでは、主にガンマ線に当たることが多くなります。一方、内部被ばくは、ガンマ線、ベータ線、アルファ線を放出するすべての放射性物質が体内の細胞に影響を及ぼす可能性があります。このため、専門家からは「内部被ばくの方がより深刻な影響が出る」と指摘されています。

内部被ばくは、空気や水や食べものに放射性物質が混ざり、私たちがそれらを呼吸や食事などで摂取した際に起きます。わたしたちが、内部被ばくを防ぐには、放射性物質をできるだけ体内に取り込まないようにすることが大切です。

国の基準は?

国の基準の推移は次の通りです。(単位:Bq/kg)

■放射性セシウムの暫定規制値(2012年3月まで)

食品群規制値
飲料水200
牛乳・乳製品 200
野菜類500
穀類500
肉・卵・魚・その他500


■放射性セシウムの基準値(2012年4月から)

食品群基準値
飲料水10
乳・乳製品50
乳児用食品50
一般食品100

コープ自然派では、『内部被ばくにおいてしきい値はない』という考えのもと、出荷基準は「不検出」が原則。
検出が確認された場合は、直ちに供給をストップします。
その後、外部機関の再検査で安全性が確認されるまで、供給の再開はしません。
原因が福島第一原発事故以外の諸事故に起因すると判断されたものや、製造工程の乾燥・濃縮などで濃度が高められたことが原因と考えられる一部商品については、情報開示をした上で出荷する場合もあります。

検出リスクの高いものは重点的に検査を行います!

コープ自然派では、放射能検査において、水産品を最も優先度の高いカテゴリーと位置付けています。

検査と同時に商品案内(カタログ)ポスティでは水産品への漁獲海域の表示を行っています。検査開始以降、コープ自然派取り扱いの水産品から放射性物質が検出されたことはありませんが、今でも出荷前検査を徹底して実施しています。

ストロンチウム検査は組合員カンパで行います。
ストロンチウムはカルシウムと同族元素であり、骨のカルシウムと置き換わることで排出されにくくなってしまうという特性を持っています。このため、一度体内に入ると長期にわたって内部被ばくしてしまい、体に多大な悪影響を及ぼすとされています。
コープ自然派ではこの危険性を重視していますが、検査を外部機関に依頼する必要があり、またその費用が高額なため、頻繁に検査を実施することができません。
ストロンチウム検査については、組合員の皆さんにカンパのご協力をいただきながら、品目を選んで検査を行っています。

ストロンチウム検査カンパのご協力
注文番号【910019】 
ストロンチウム検査カンパ 一口200円
※カンパ協力金はポイント対象外です。
※寄付金控除の対象外です。

検査方法

放射能検査器 EMF211(50-1L、100-2L)、GC2520の計3台により、週あたり約100検体、検出限界値を3Bq/kg以下を目安として測定を行っています。

ガンマ線スペクトロメーターEMF211(左から50-1L、100-2L)。食品・植物・水・土壌に対して、セシウム134、セシウム137、ヨウ素131の核種を計測します。

ゲルマニウム半導体検出器GC2520は2018年に導入。従来EMF211の2検出器でわずかでも検出された食品やさらに厳密な検査が必要な場合は、外部の専門機関に検査依頼をしていましたが、精密な検査結果が本検出器で確認できるようになりました。

検査の流れ

①容器内にすき間ができないよう、検体をミキサーにかけ細かくします。


②検体の重量を測定します。


③検体の入った容器を検出器を入れ、ふたをしめて検査開始。


④検体重量により30~1時間(※)の検査を行い、パソコン画面で検査結果を確認します。

※より高い精度で測定が必要な検体や量の検体については、それぞれで長時間の測定を行っています。

検査結果の確認方法

コープ自然派は、福島原発事故直後から食品の放射能検査を行ってきました
検査は、コープ自然派事業連合内の検査室で行い、さらに厳密な検査が必要だと考えられる場合は、外部機関(同位体研究所)に検査を依頼します。

(  )内の数値は検出限界値を指し、不検出とはその検出限界値を超えていないことを表します。
①「不検出(2.0)」 →2.0Bq/kg以上の検出がないと判定
②「3.0Bq/kg(2.0)」 →2.0Bq/kg以上の検出があったと判定
②のとき、検出数値である3.0Bq/kgには数値的な信頼性が乏しいため、 ゲルマニウム半導体検出器にて定量検査を行います。

国の基準では、飲料水が10Bq/kg、乳児用食品・牛乳は50Bq/kg、一般食品は100Bq/kgに設定されていますが、コープ自然派は「子どもを放射能被害から守る」姿勢であり、『内部被ばくにおいてしきい値※はない』という考えのもと、徹底した放射能検査を行っています。

※ある値以上で影響が現れ、それ以下では影響が現れないとするもの。

情報の公開

青果や水産品を中心に、商品案内(カタログ)に生産地や水揚げ地を記載しています。