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全国に広がるコウノトリ


農薬多用による生態系破壊や農地整備などにより1971年に絶滅したコウノトリ。野生復帰を目指し、兵庫県立コウノトリの郷公園で5羽が放鳥されたのは2005年でした。エサとなる多様な生きものが田んぼで生息できる「コウノトリ育む農法」など様々な取組を続けた結果、今年の野外生息数は260羽。繁殖地も7府県に広がっています。

  

地域単位で農薬を減らしていく取組や、送電線等への営巣を減らすための巣塔の設置など、今後も地域や生産者、そして消費者が連携した活動が大切です。

  

学習会レポート

環境にやさしい農業は、コウノトリの野生復帰を支える

11月8日月曜日、NPO法人「とくしまコウノトリ基金」の柴折さんをお招きし、コウノトリの生態や基金が行っている活動についてお話を伺いました。

基金の主な活動場所は、れんこん畑が広がる徳島県鳴門市。2017年からコウノトリ1ペアが繁殖を続けているこの地が、本格的な繁殖地になることをめざしています。休耕地を開墾し水を張ったビオトープを、トラクターで雑草を抑えながら維持した結果、コウノトリの来訪につながっているとのこと。しかし、「本当は資金を掛けて休耕地を掘り起こすよりも、れんこん畑や田んぼとして営農しながらエサ場にできた方がいいと思っています。」と話される柴折さん。農産物の販路が課題になっています。

コープ自然派は今後、「とくしまコウノトリ基金」と連携し、コウノトリを育む取組を行っていきます。

コープ自然派前田(左) とくしまコウノトリ基金柴折さん(中央) コープ自然派岸(右)

参加者の声(参加人数:94名)

  • コウノトリの生態(状況)がよく理解できました。個人的にも応援できることを考えていきたいと思います。
  • コウノトリって大きいんですね!そして大きなカエルを食べている映像に驚きました。
  • コウノトリたちは私たちが自然を取り戻すための希望であり象徴かなと思います。
  • 昔は当たり前だった風景を守るために今は多くの努力が必要で、その地道な取組に頭が下がりました。

コウノトリの歴史

①共に暮らしていた

1960年、登校する子どもたちを見送るコウノトリ。多くの生きものの中で暮らしていました。


②姿を消していく

農業の近代化(農薬使用や機械化)でコウノトリが減少。絶滅へ…。


③育てて増やす

1965年、絶滅を防ぐため捕獲し、人工飼育。※1971年に日本の野生コウノトリ絶滅。


④空に帰す

2005年、コウノトリが34年ぶりに日本の空に帰る。


⑤環境づくり

無・省農薬(75%削減)のお米づくりで生きものと安全・安心なお米を育む。


⑥共に暮らす

2008年、帰宅する子どもを迎えるコウノトリ。現在、260羽のコウノトリが大空を舞う。


生物多様性がコウノトリを支える!
「環境創造米」の3ステップ

コウノトリの体重は4〜5kg。1日にその約10分の1にあたる生きものを食べます。田んぼの生態系の頂点に立つコウノトリを支えるには、多様な生きものを育む豊かな田んぼの環境を守ることが大切です。コープ自然派では「地域まるごとの無農薬化」をめざし、生産者と農薬削減に取り組んでいます。コウノトリの郷を全国に広げていきましょう。

Step1 ビオトープ米

ビオトープ米が29号からポスティ掲載に!

無農薬化をめざす「Step1」として、栽培中の田んぼへのネオニコ系農薬による「本田防除」を行わないビオトープ米。今後産地による巣塔設置への参画なども条件に、CaoCaoからポスティへの掲載に変更しました。コウノトリを想い、一粒一粒こだわりを持って作られているおいしいお米です。ぜひ味わってください。

ビオトープ米

  

ネオニコによる本田防除をしていません。苗箱への処理も行わないネオニコフリーをめざしています。

Step2 省農薬米

ネオニコを含む優先排除農薬・問題農薬を排除。除草剤は田植え期の1回のみ。

自然派Styleツルをよぶお米(省農薬)白米


コウノトリ育むお米(省農薬)白米

Step3 無農薬米

栽培期間中、化学合成農薬を一切使用せずに栽培。地域まるごと無農薬がコウノトリを育みます。

自然派Styleツルをよぶお米(無農薬)白米


コウノトリ育むお米(無農薬)白米

公開:2021年11月22日
商品案内36号[2021年12月2回]掲載

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