• ネオニコチノイド系農薬

人体への悪影響が懸念される有機リン系の農薬に代わり、1990年代以降急速に広まったネオニコ系農薬。少ない使用回数で殺虫効果が得られるため“環境保全型農薬”として謳われていましたが、植物の中まで届く浸透性や土壌に長く残る残効性などの特徴から、生態系の破壊やヒトへの健康被害が指摘されています。

コープ自然派はネオニコ系農薬に反対しています。環境創造米の取組や土づくりを基本とした作物の栽培など、農薬に頼らず豊かな自然環境をつくることを目指し、生産者とともに取組をすすめています。まずは消費者が知り、選ぶことでネオニコフリーな社会を次の世代に渡しましょう。

ネオニコ系農薬 3つの特徴

  1. 浸透性  
    植物の全体に作用し、中まで浸透するので、洗っても落とせない
  2. 残効性  
    殺虫効果が長続きするだけでなく、土壌中、水中、大気中にも長期に残留する
  3. 神経毒性 
    害虫のみならず、ヒトを含むさまざまな生きものの神経への影響を及ぼす

日本の農業

各国で規制がすすむネオニコ系農薬ですが、日本では逆に規制緩和がされており、どの農薬がネオニコ系農薬なのかも分かりにくい状況です。農薬削減に取り組む中でも、他の生産者の敷地から飛散(ドリフト)して付着してしまう課題もあり、コープ自然派では、産地の状況を生産者と共有し、一緒に解決する道筋をめざして取り組んでいます。

環境創造米の取組

目指すは地域まるごと無農薬化!

農薬の多用や農地整備などにより1971年に絶滅し、現在は野生復帰の取組が続くコウノトリ。魚やカエルを食べ、田んぼの生態系の頂点に立つコウノトリを支えるには多様な生きものが暮らす豊かな環境が必要です。

コープ自然派では地域まるごとの無農薬化を目指し、生産者と農薬削減に取り組んでいます。いきなりの無農薬栽培は難しくても、徐々に農業の使用量を削減していく「環境創造米」の取組。この取組のお米を食べて応援することが、豊かな田んぼを拡げ、コウノトリの郷を全国に広げることにつながります。

Step1 ビオトープ米

ネオニコによる本田防除をしていません。苗箱への処理も行わないネオニコフリーを目指します。

  

Step2 省農薬米

ネオニコを含む優先排除農薬・問題農薬を排除。除草剤は田植え期の1回のみ。

Step3 無農薬米

栽培期間中、化学合成農薬を一切使用せずに栽培。

  

ネオニコ系農薬使用状況をマークでお知らせ中!

2010年からネオニコ排除を掲げ、生産者と取り組んできたコープ自然派。2017年からはカタログに使用状況を示すマークの表示を始め、組合員さん自身が「見て、判断して、利用する」ことができるようにしています。2020年度には受注数の90%以上が「ネオニコ不使用」マークの商品となりました。

組合員さんが利用している野菜は?

ネオニコ不使用、削減中が約97%。商品の利用を通じて取組を拡げられるように商品案内にはコープ自然派独自のマークを表示しています。

キャベツ

コープ自然派の野菜は土作りが基本です。甘みのあるキャベツをめざし、有機質肥料で栽培しています。

キャベツ

  

サラダや炒めものなど、幅広く活躍する万能野菜。

りんご

農薬の削減がより難しい果樹栽培でネオニコフリーに取り組む、津軽産直フーズのりんごです。

王林 800g

  

上品な甘みで芳醇な香り。サクッとした軽い食感です。

加工品にもネオニコフリーマークが付きました

りんごやいちごなど、果物の果汁を使ったジャムやジュースは子どもも大好きです。しかし果樹栽培でも多種類の病害虫への対策として、ネオニコ系農薬が一般的に使われています。コープ自然派では2021年35号から、ネオニコフリーの確認が取れた果実が原料であるジャムやゼリー、ジュースなどの加工品にもマークの表示を始めました。おいしい果実をぜひ安心して味わってください。

ジャム

オーガニックのいちごや、ネオニコフリーに取り組む「あくと」のりんごが原料です。


自然派Style苺の蜜

  

オーガニックいちごを100%使用しています。


自然派Style国産りんごジャム

  

ネオニコチノイド系農薬不使用の「あくと」のりんごを使用。

ジュース・ゼリー

ネオニコフリーに取り組む「津軽産直フーズ」のりんごを原料にしたストレートジュースやゼリーです。


自然派Style産直りんごジュースケース

  

津軽産直フーズがネオニコフリーで育てたりんごを搾りました。ストレート果汁100%。


飲むこんにゃくゼリー(りんご)

  

ぷるぷる食感のクラッシュタイプこんにゃくゼリー。袋の上からよく揉んでお召し上がりください。


ミニカップゼリーりんご

  

寒天とこんにゃく粉で固めました。やわらかでやさしい甘さ。

公開:2022年1月17日
商品案内44号[2022年2月1回]掲載

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