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東日本大震災、そして福島原発事故から今年で11年目。原発事故では発生時に放射性物質が大量に放出され、大地や空気が汚染されました。現在も先行きの見えない廃炉作業が続く中、発電所からは汚染水が継続して発生しており、処理水の海洋放出に向けた動きが続いています。

震災、津波、原発事故に見舞われた被災地の生産者は、厳しい状況の中でそれぞれが安心安全な食べものの生産に取り組み、復興の道を力強く歩み続けています。今回は生産者の方々の近況をご紹介します。

コープ自然派は放射能検査を行っています

検査の内容

  

原発事故直後から行っているコープ自然派の食品放射能検査。現在は、「ガンマ線スペクトロメーターEMF211」2台と、「ゲルマニウム半導体検出器GC2520」の合計3台の機器により、週当たり約100検体、検出限界値は3Bq/kg以下を目安として測定を行っています。

  

ゲルマニウム半導体検出器

検査結果はすべて公開!

検査結果はカタログと一緒に毎週お届けし、コープ自然派ホームページでも2011年からすべての検査結果を掲載しています。

もし放射能が検出された場合はお届けをストップ

「閾値はない」との考えから、数値の多寡に関わらず外部機関の再検査で安全性が確認されるまで該当商品の供給はしません。

※製造工程での乾燥・濃縮など、原因が原発事故以外の諸事情と考えられた場合は情報公開の上で出荷する場合もあります。

東北トクスイ

新たな商品づくりにチャレンジ

東北トクスイは震災により工場の外壁の一部に亀裂が入る等の被害はありましたが、幸いにも津波の被害からは免れました。現在は冷風乾燥機や真空包装機等の機械を導入し新たな商品づくりにチャレンジをしています。

  
水産原料の異常な高騰による苦境が続きますが、組合員の皆さんに安心して美味しくお召し上がりいただける商品の開発を進めていきます。

  
工場長 鈴木義則

  

  

天然むきえび(大)

  

天然えびをむき身加工し急速凍結しました。

まるたか水産

震災前から変わらない思い

  

震災当時、地震や津波に追い打ちをかけるような、原発事故の知らせを受けたときのショックはいまだ忘れることができません。東日本では仕事どころか、ここで生きていけるのかさえ不安になり、それでも無我夢中で復旧・復興に邁進してまいりました。10年以上が経ち、ようやく希望が見えてきた矢先に原発処理水海洋放出のニュース。まさに青天の霹靂です。海は日本のものだけではないという事をもう一度考えて行動すべきだと思います。

  
その中で私たちも、安全で、より良い海の幸を皆さんにお届けしていきたい。震災前からその思いはずっと変わらず、これからも持ち続けていきます。

  

代表取締役 高橋雄治

  

大粒かきフライ

  

軽くスチームボイルしているので、縮みが少なくふっくらとした食感が楽しめます。

高橋徳治商店

私たち生産者が目指すもの

  

11年になるこの被災地で(当社でも)必要なのは「こころのふっこう」と考えています。今までと違う会社を作るためには「事業の車輪」だけでない「思いや理念(社会的課題解決)の車輪」が必要だと、両輪を一輪にしてふらふらでもひた向きに歩いてきました。練りものの品質の執拗な追求でスタッフが悩み考えを深め、野菜加工場では引きこもりの若者たちから人の痛みを学び、気づき、お互いに人の心を温かくできるスタッフに変わっています。

  

「社会」に抗い続け、心ゆたかに笑顔いっぱいを目指す会社から、おいしさとてんこ盛りのメッセ-ジを込めて…

  

代表取締役 高橋英雄

  

おとうふ揚げ 3種10品

  

復興第一号商品のおとうふ揚げ、それに続くシリーズの椎茸入り、そして五目の3種を1袋にセットした商品。

千倉水産加工販売

協力しあって続ける生産

  

震災から11年目を迎え、女川の人口は昨年12月末時点で6,098人(震災時は約1万人)。住まいや産業の基盤整備はほぼ終了し、今後は町民、産業がひとつとなり、震災前より住みやすい、そして働きやすい町として発展していくばかりです。

  
基幹産業の水産業は、昨年以上のさんまの不漁、コロナ禍など大変厳しい状況です。2021年は実習生の受け入れが出来ず労働力も低下。そんな状況でも女川工場は従業員が協力しあい、毎日生産を続けられています。今まで以上に安心、安全、そしておいしい商品を製造し、組合員の皆さんに笑顔をお届けできるよう努力していきます。

  

女川工場長 永沼俊也

  

塩さんま

  

北海道沖、三陸沖で漁獲されたさんまを塩水漬けし、旨みを凝縮しました。

鎌田醤油

あるべき姿を考える

 

震災後毎年、生産者として、地域の生活者として、あるべき姿(生き方)を考える機会としてきました。震災の被害はあまりにも大きく、再開するための建物や設備の修繕費用を考えると、即答できる状態ではありませんでした。

  
でもその後、後片付けが進むにつれ使命感と多方面から応援の声もいただき、前向きに突き進む事ができました。自然災害は克服しつつも、人災である原発事故の影響は未だに解決されていません。あれから11年、各地で大規模災害が増え不安は拭えませんが、伝統と事業を継続できていることを皆さまに「感謝」いたします。  

  

専務 鎌田雅敬

  

仙台みそ

  

大豆の旨みを引き出した、風味豊かな赤色辛口みそです。

公開:2022年2月21日
商品案内49号[2022年3月2回]掲載

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