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第7回コープ自然派生産者消費者討論会レポート

2020年5月に政府が発表した「みどりの食料システム戦略」。2050年度までに目指すとされた目標は、有機農業の面積を0.5%→25%に広げるなどとても高いもので、実際に農業に取り組む現場では賛否様々な声があがっています。

代替農薬としてRNA農薬を推奨するなど懸念はありますが、コープ自然派では有機農業が変わる大きなきっかけであると考え、1月20日に開催した生産者消費者討論会でも具体的なプロセスについて生産者とともに話し合いました。日本の有機農業を拡げるために何ができるのか、パネリストの皆さんの声をお届けします。

農水省「みどりの食料システム戦略」「環境保全」の主な目標(2050年度まで)

有機農業の取組面積割合を、現在の0.5%から25%・100万haに広げる
化学農薬使用量50%低減※
化学肥料使用量30%低減
※2040年までにネオニコ農薬に代わる新規農薬を開発するとしています。

有機の学校 ORGANIC SMILE

今回の討論会、有機学校給食の取組と熊本の有機の学校の取組を紹介させて頂きました。

  
そして各地での子どもたちへの有機給食への取組の波を大きく感じました!みんなに届けていくには、みんなでチームになってたくさんの有機農家を育てること、支えて頂ける皆さんがいらっしゃること、つまり有機の学校が大事です!

  
たくさんのORGANIC SMILE!!が生まれていくよう、今後も活動していきますのでよろしくお願いいたします!

  

鳥越靖基

  

有機農業で子どもたちに伝えたいことがたくさんあります。

有機小松菜

  

ジューシーでコクがあります。

アイチョイス・コープ自然派 生産研究会

農水省が掲げる「耕地面積25%」という目標実現の為にも、有機農業を学べる場所が必要です。すべての生きものとの調和や地球環境といった観点から農業を鑑みた時に、有機農業の取組や化学物質の使用削減はやはり重要だと思います。

  

その事をふまえ、生産研究会は生協や生産者同士の情報交換、また組合員さんとの相互理解を深めながら活動に取り組んでいきます。まだ研究会に入会されていない生産者の皆さんも、是非とも一緒に活動を進めて参りましょう。

  

田中誠

  

生産者、流通、消費者が一体で取り組めるのが生協です。

有機ほうれん草

  

アクが少なく、ほうれん草本来の味がしっかりします。

JA東とくしま

農を業とする生産活動では、高品質や多収穫が最も重要な価値とされます。病害虫に侵されていない農産物が消費者に受け入れられることも農家は身に染みてわかっている。いや、教育されています。

   
「みどり戦略」は、生態系や人の健康・生命を脅かす農薬を排除しようとしていますが、農薬と農家の関係は深いです。

    
しかし、食の安全に対する概念を根本的に変革できるチャンスが到来しているのではないでしょうか。積極的に環境を破壊しようという農民はいません。米作りと環境保全が表裏一体となった百姓仕事が出来る環境は、食べる人と作る人の協力によってしか生まれないと思います。

  

西田聖

  

農家を取り巻く環境は厳しい。ビオトープ米で持続可能な農業を!


ビオトープ米

  

地域全体で生物多様性を保全し、コウノトリが一年中暮らせる環境づくりをしています。

営農企画

北海道の大規模農場で有機小麦や大豆に取り組んでいます。穀物は果物や野菜などに比べても面積当たりの収入が低く、購入した高い有機肥料ばかり使っていては経営が成り立ちません。

  
そこで最も大事なのは、地域で有機の堆肥を作れる仕組みです。食品メーカーや畜産業、ホテルに稲作農家など、地域で出る有機質の残渣(ざんさ)で堆肥を製造し、供給するシステムを提示して初めて達成できる目標だと感じます。個人だけではできない仕事です。

 

今城正春

  

堆肥の確保が大事。行政に皆で意見を伝えたいです。


北海道オーガニック小麦パン1.5斤

  

北海道産有機小麦「ゆめちから」を100%使用。

連携しながら理解と取組を広げていくことが大切

10年ほど前から学校給食へ有機野菜(にんじん、じゃがいも、たまねぎなど)の導入を進めていて、今も継続的に納品して子どもたちに食べてもらっています。給食会の方からは、安心して食べられると評価が高い一方、もっと他の品目も案内してほしいと要望を頂いています。

  

野菜のサイズや規格に関しても課題はたくさんありますが、畑の状況などの情報を共有して、密に連携しながら理解と取組を広げていくことが大切だと考えています。
  

ビオマーケット 大矢正英

  

有機にんじん

  

甘みがあり、子どもにも人気。

公開:2022年3月14日
商品案内52号[2022年3月5回]掲載

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