有機小麦の確保状況

取組が始まった2017年当時から国産有機小麦はとても希少。翌2018年にようやく数件の生産者に栽培を依頼できて以来、協力生産者の輪は広がり今年は150tの小麦の確保が見込めるほどに。

目標の1000tをめざし、輪作作物の大豆も含めた加工品への利用を進めています。

今回は多くの方に北海道までお越しいただき、ありがとうございました。有機農業を拡げるためには、誰もが農業を出来るような作業の負担軽減策や、安定した堆肥の供給が必要で、私たちも播種の自動化や屋内堆肥施設の稼働を予定しています。そしてコストを抑え、慣行栽培との価格差を抑えたどなたでも食べられる有機農産物をお届けする。そのためには信頼できるパートナーが必要です。

　　
コープ自然派とはそのような関係を築くことができると感じていますし、組合員の皆さんには持続可能な有機農業を一緒に支えて頂きたいと思っています。

約13年前に国産有機トマトをもっと生産したいと北海道プロジェクトを立ち上げました。広い大地と梅雨がない気候、有機生産者も意欲的な方々が多く、心が弾んだことを覚えています。

今回の北海道アンバサダーでのコープ自然派と生産者の方々の姿から当時と同じわくわくするような気持ちを思い出しました。アンバサダー前後にはコープ自然派にも有機野菜を卸している大雪を囲む会の畑を訪問。地球温暖化等の影響により、北海道の気候も変動していますが皆さんと一緒に力を合わせ頑張っていきたいです。

毎年数度は北海道菜種と特別栽培米の生産者訪問をしていましたが、この2年ほどは伺えず久しぶりの北海道。やはり生産規模の大きさと、国産有機小麦粉・有機大豆の可能性を改めて感じました。

今城さんが勉強会で挙げられた有機生産者の5つの課題、①有機肥料のコストダウン、②技術確立、③安定供給、④年間販売、そして⑤契約からの生産。誰とパートナーとして契約(約束)するかが重要です、が大変強い学びとなりました。生産、加工、流通、販売が共通の意識と目標を持ち、今後とも国産有機に取り組んでいきたいと思います。

日本が小麦や大豆の約9割を外国産に頼る中、今城さんの約100haの有機小麦・大豆畑を見学。そこでは、作業効率を高めるため、GPSで自動で走る巨大トラクターなど機械が勢揃い。さらに「有機小麦1000ｔを達成する！」という今城さんの意気込み、商品の品質・味など含め大規模オーガニック会社の経営力に感銘を受けました。

商品を通して健康と生態系を改善していく。全国各地でBLOF理論や天敵農法などを活用した熱き農家さんが増えていますので、国産オーガニックプロジェクトの将来がとても楽しみです！

私たちは2006年、有機JAS認定を取得しアメリカからの輸入を開始しました。オーガニックの生産者にアプローチを続け、現在では12か国、140種類の有機原料を輸入しています。さらに、国内のオーガニックの一次生産者と関わりをもち、有機農畜産物を加工食品の原料として使用する試みも開始しました。

今回、今城様の圃場視察から日本の有機農業大規模化が今後の有機農業の拡大に向けて重要である事が理解できました。私たちもオーガニック商品を扱う企業として日本のオーガニック市場の拡大に努めていきたいと思いました。