• アニマルウェルフェア

家畜は単なる食べものではなく、感受性を持つ生きものです。誕生から死を迎えるまでの間、動物本来の行動欲求が満たされる生活を送れるよう取り組むアニマルウェルフェア(AW)の考え方は、家畜を健康に育てることにつながります。しかし日本ではまだアニマルウェルフェアは拡がりをみせていません。

コープ自然派ではアニマルウェルフェアに取り組む生産者を応援しています。今回はそれぞれの生産者の皆さんに、一般的な飼育との違いや日々飼育をする上で気を付けていることなどをお聞きしました。

アニマルウェルフェアの5つの自由

①飢えや渇きからの自由

②不快からの自由

③痛み、怪我、病気からの自由

④正常な行動を発現する自由

⑤恐怖と苦悩からの自由

  

※イギリス政府の農用動物福祉審議会(FAWC:政府の諮問機関) によって1993年に策定された動物の「5つの自由」に基づいています。

神山鶏

山あいにある私の農場は、これを書いている11月現在、秋の深まりが日々感じられる季節となりました。今年の秋は寒暖差が激しく、朝は鶏を冷やさないように、日中は鶏を暑がらせないように温度変化に気を付けて、鶏が快適な環境で過ごせるように世話をしています。また、これだけ寒暖差があると夜間に鶏舎内が湿度過多になって翌朝には床面が湿っぽい状態になります。湿ってきた床面では鶏が冷えるので、新しいおが屑(敷料)を入れて乾いた床面になるように手間をかけています。

来月には私が育てた神山鶏を出荷します。これからも日々鶏にまっすぐ向き合い、健やかに育つように飼育に励みますので、どうか今後も神山鶏の応援をよろしくお願いします。

川村農場 川村忠雄

飼育状況

飼育密度40羽/坪
飼育施設自然光の入る開放鶏舎で平飼い
出荷日齢約60日

※川村農場では放牧の神山鶏の取組も行っています。

神山鶏手羽先

  

じっくり煮込むと、骨の部分からゼラチン質が溶け出して、コクと旨みが出ます。

    

自然豚

アニマルウェルフェアに取り組むうえで、常に念頭に置いているのは「豚ファースト」です。飼育している豚たちが、常にストレス無く生活できることを最優先して農場管理を行っています。

一般的な飼育環境では、過密な飼育により豚たちの心身へのストレスが大きくなるなどの影響がありますが、アニマルウェルフェアでは1頭あたりの飼育面積を従来より広く取ることで、豚にとって良い生活環境を担保しています。この様な取組を積み重ねることで、豚にとってストレスの無い環境を提供しています。

七星食品 海部哲央

飼育状況

飼養面積1.5㎡/頭
母豚の管理フリーストールを導入
屋外アクセスの可否屋内だが自然光の入る開放豚舎 ※断尾もしない

自然豚モモスライス

  

キメの細かな赤身肉。肉そのものの味を楽しむ料理に向いています。

   

里山牛

畜産では牛舎の限られたスペースで密に飼い、枝重・サシ等を重視した飼い方が一般的であり、私も里山牛の飼育に携わるまではそれが当たり前だと思っていました。

  

しかし里山牛は人の都合に合わせるより牛に合わせた牛作り。成長に合わせ、飼育者が補助しているような感覚です。私も牛優先で管理を行い、自社生産の安心・安全なえさを与え、牛本来のありのままの姿を追及し、日々精進しています。牛、人に感謝し最高の牛作りを目指していきます。

  

さかうえ 有川拓夢

  

飼育状況

放牧期間6か月以上
母子一緒の期間3か月以上
牛床(ベッド)牧草/もみ殻を毎日交換

里山牛すき焼き用ロース

  

草食動物本来の育ち方により、牛肉本来の味わいや風味をお楽しみいただけます。

   

放牧豚

日頃私たちの育てた北海道放牧豚をご愛顧いただき誠にありがとうございます。放牧による自由な運動と、青空の下広々とした放牧地でストレス無く伸び伸びと育てることが、私たちのアニマルウェルフェアの取組の中心です。 

   

一般的な舎飼い(小屋での飼育)と異なり、放牧後は屋外での飼育とほぼ変わらないため、気候による自然環境が飼育にダイレクトに影響します。特に真夏の高温・真冬の低温、台風や吹雪などの悪天候では豚たちの体調を常に気を付けなければなりません。気を抜けない飼育方法ですが愛情をもって育てた放牧豚を、組合員の皆さんにお届けできるようこれからも頑張っていきます。

  

希望農場 清野光弘

  

飼育状況

飼養面積1アール/頭
屋外アクセスの可否放牧 ※断尾もしない

   


放牧豚パセリケーゼ

  

放牧豚を、ハーブ風味のあるブロックタイプのソーセージに仕上げました。

   

よつ葉放牧生産者指定ノンホモ牛乳

放牧酪農の生産者さんは、変化を嫌う牛の飼育において、牛舎の換気・照明、えさである牧草・水の状態に異常がないかなど、牛を取り巻くあらゆる環境に常に気を遣っています。

  

例えば、放牧のえさは季節により大きく変わりますので、栄養が偏りがちにならないようえさを増やしたりして調整をしています。また、放牧地の選定も牧草地の草の生育具合、牧草の品種、草の減り具合によって牧区を分けてどこに放牧するのが適切か判断しています。

  

よつ葉乳業  宮田知行

  

よつ葉乳業独自のアニマルウェルフェア(AW)基準(一例)

・牛体が清潔である
・人に恐怖心を持っている牛が少ない
・牛床が滑らない
・断尾をしていない
・適切な暑熱対策をしている
※全55項目。一部努力項目も含みます。


よつ葉放牧生産者指定ノンホモ牛乳

  

北海道十勝で放牧をしている5戸の酪農家の生乳を使用。乳脂肪分を均質化するホモジナイズ処理をせず自然な風味を活かしました。

      

平飼い卵

平飼いの場合、鶏の個体管理ができません。ケージ飼育と異なり鶏舎内を毎日かけまわっているため特定ができないからです。そのため、鶏群管理をしているのですが、鶏舎に入った際の雰囲気に気を遣っています。

   

昨日の鶏の雰囲気と今日の雰囲気が異なるかどうか、季節によっても異なります。突かれて苛められている子はいないか。苛められている子を発見したら一旦群から離します。数値化できない経験と勘によるスキルが求められます。

  

旭商事 山根浩敬

  

飼育状況

飼育密度1.5㎡/羽
飼育施設自然光の入る開放鶏舎。止まり木や砂場、巣箱あり

PHF平飼い卵 6個

   

PHF、非遺伝子組み換え(分別管理)飼料を使用し、飼料米を配合した平飼い卵です。

公開:2023年12月4日
商品案内38号[2023年12月3回]掲載

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