• アニマルウェルフェア

「アニマルウェルフェア(AW)」は、「動物福祉」と訳され、家畜がストレスなく、快適で健康的な生活ができるように飼育することを表します。

コープ自然派では、アニマルウェルフェアの精神を重視し、取組をすすめてきました。その理由は単に「家畜がかわいそうだから」ということだけではありません。家畜の環境に配慮し、家畜を健康的に飼育することは、病気の対策になります。家畜が健康であれば投薬も不要であり、近年問題になっている「薬剤耐性菌」への対策にもなり、ひいては安心・安全な畜産物の生産への近道となるのです。

アニマルウェルフェア5つの自由

  • ① 飢えと渇きからの自由
  • ② 不快からの自由
  • ③ 痛み、怪我、病気からの自由
  • ④ 正常な行動を発現する自由
  • ⑤ 恐怖と苦悩からの自由

※1993年イギリス政府の農用動物福祉審議会(FAWC:政府の諮問機関)


肉用鶏 イシイフーズ

昨年の大晦日、徳島県神山町の開放型鶏舎に元気なヒナを入雛しました。今回、特にこだわったところは、入雛日の2日前からガスブルーダー(暖房器具)を点火させて舎内温度や床面(ヒナの寝床)温度をしっかり保つようにしたことです。ヒナたちは、入雛後すぐに活発に動き回り、エサと水をしっかり取っていました。また、入雛から6時間経過したヒナのそ嚢(エサ袋)をつまむと、エサと水で満たされていて、厳しい寒さの影響を受けずに飼育を始めることができたと実感しました。

  

私は、冬の寒い日、夏の暑い日、どんな環境でも鶏たちが快適な環境で過ごせるように神山鶏の飼育に取り組んでいます。私にとってのアニマルウェルフェアは、鶏が健やかに育つように飼育に励むことです。

  

イシイフーズ 沓名政枝さん

  • 神山鶏ササミ(バラ凍結)

    脂肪分が少なく、味は淡白で肉質がやわらかいのが特徴。


採卵鶏 旭商事

採卵鶏(卵を産む鶏)はケージ飼育が一般的で、日本では90%以上がケージ飼育ですが、当社では、まだアニマルウェルフェアという概念のない頃より平飼い飼育を実践しておりました。平飼い飼育の特徴は、鶏が自由に運動できて羽を広げ、止まり木で休憩します。

  

運動量が多いので飼料もたくさん食べます。そのため遺伝子組み換え原料を使わない安全な飼料は不可欠です。ケージ飼いのように合理的な管理が難しく、飼育羽数も多くないため非効率な生産となりますが、毎日使う卵の背景を大切にしています。

  

旭商事 山根浩敬さん
  • PHF平飼い卵6個

    PHF、非遺伝子組み換え飼料を使用し、徳島産の飼料米を配合した平飼い卵です。


乳牛 よつ葉乳業

娘たち(牛たち)は私に似て大変わがままで、色々なことに縛られるのが嫌いで自由でいたいと思っています。なので、できるだけ自由な時間を多く作ってあげたいと考えています。娘たちが喜んで食べてくれる牧草づくりに特に気を配っています。真冬には最低気温が-20℃以下になることもあり、仔牛の寒さ対策や水飲み場の凍結などにも注意しています。

  

私たちは毎日がアウトドアライフみたいなものですが、そういうところが気に入っています。娘たちが健康で元気に乳を出してくれることが一番の幸せです。安心安全を心がけ、娘たちと協力し合って生乳を生産しています。これからもよろしくお願いします。

  

坂井牧場 坂井孝禎さん

アニマルウェルフェアに沿った独自基準で飼養しています!

その基準は多岐にわたり、牛体そのものだけでなく、飼育施設や管理方法まで細かく設定されています。

【基準の一例】

・牛の体が清潔であるかどうか
・人に対する恐怖心を持っている牛が少ないかどうか
・牛床の軟らかさは適切かどうか
・断尾を実施していないかどうか …など

  • よつ葉放牧生産者指定ノンホモ牛乳

    北海道十勝で放牧をしている5戸の酪農家の生乳を使用。乳脂肪分を均質化するホモジナイズ処理をせず自然な風味を活かしました。


肉牛 北十勝ファーム

私はいつも、自分が牛だったらと想像して牛飼いをしています。広大な放牧地で飼っていても、中にはバラ線を潜り抜け、外に出てしまう仔牛達がいます。その仔牛達を誘導しながら牧区内に戻すのがひと苦労!でも、自分が仔牛の立場だったら?きっと冒険心でわくわくしていることでしょう。

  

海外のAW界では「ポジティブな経験をすること」も新しいポイントだそうです。まさにこの仔牛たちは、好奇心を満たすポジティブな経験をしているのだと思っています。

  

北十勝ファーム 上田金穂さん

短角牛とは?

日本4大和牛のひとつ、「日本短角種」のこと。脂肪分が多く霜降りの黒毛和牛に対し、低脂肪で滋味のある肉質が特長です。

  

有機JAS認証取得を目指しています!

今春頃には採草地・牧草地並びに自家栽培の圃場の有機認証監査が実施され、2022年の春頃から有機認証を受けた肥育牛を出荷できる予定です。

北十勝ファームの飼育のこだわり

飼育方法青草の生える夏は山に放し、雪が大地を覆う冬は里の開放的な牛舎で飼うという“夏山冬里方式”。運動不足になることはなく、仲間とも存分に遊べてストレスがたまらない。
繁殖方法自然交配による。日本のほとんどの肉牛・乳牛の繁殖はほぼ100%人工授精によるが、人工授精は行わない。
飼料農場に自生する牧草を中心に、全体の80%を地元十勝産が占める飼料を与える。
  • 北海道短角牛小間切れ

    夏は山で、冬は里で、ゆったりと優しく育てられた牛です。

公開:2021年3月8日
商品案内52号[2021年3月4回]掲載

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