• 有機・オーガニック
  • ネオニコチノイド系農薬

1990年代、「虫には効くけれどヒトには安全」を謳い、有機リン系農薬に代わって爆発的に普及した「ネオニコチノイド系農薬」(以下ネオニコ)。しかし普及に伴い、世界各地からミツバチの大量死の報告が急増し、生態系への被害、環境やヒトへさまざまな悪影響を与えていることが明らかになってきました。

世界各国ではネオニコの使用を禁止・規制する動きが広まっていますが、日本ではネオニコ系農薬の残留農薬基準の緩和がすすみ、その数値は欧米の基準値の数倍から数百倍になっている農産物もあります。

コープ自然派ではこのような状況を受け、生産者や組合員とともに学習会や交流を繰り返しながら、ネオニコフリーの取組をすすめています。そしてネオニコ系農薬だけでなく、安心・安全な野菜を拡げるために有機・無農薬の農産物に力をいれています。

現在は有機農業者を育てるため、熊本県で学校の再開をめざしています。これからも誰もが有機農産物を食べることができる社会の実現に向けて取組を進めていきます。

熊本の有機の学校「ORGANIC SMILE

※名称は設立総会で決まります。

開講当初の様子

有機の学校再開に向けて!

2006年12月、「有機農業推進法」が制定されました。これに関連して2009年、熊本県山都町のキッチンガーデンが国の有機農業支援事業に採択され、翌年には研修施設と育苗ハウスが完工。2011年には「山都町有機農業サポートセンター」が開校しました。(2014年に休校)

山都町は有機JAS認証事業数が全国の自治体の中でも多く、有機農業を志す新規就農者が集まってきています。コープ有機九州支所は、キッチンガーデン時代から有機農業の産地作りに共に取り組み、新規就農者が有機農業を続けられるようにサポートを行ってきました。

新しい学校では、有機農業者ばかりでなく地域の農業者や都市の消費者など多彩なメンバーに運営に関わってもらい、有機農業に関心を持つ人々も含め、それぞれが学び合う場所となることをめざしています。

たくさんの「ORGANIC SMILE」が生まれる学校にしたい。

有機農業から伝えたい事や学びたい事がたくさんある。扉や窓を開けて、ここからはじまる仲間たちと有機の風をこの星いっぱいにめぐらせよう。種を蒔き、芽吹き、花が咲き、種を生む。しかしこれは一人では叶わない。

  

ORGANIC SMILEは、種を育む、根を支える土であり、動物たちや微生物たちと調和し耕す、太陽のエネルギーをいっぱい受け、豊かな空気や水や風を生み出しSMILEする。有機の学校を作りたいという想いを共有する、近隣の有機農家や慣行農家、コープ自然派やコープ有機のメンバーを加えて20数名の方々と発起人会を重ね、今年7月には設立総会を開催する予定です。

  

YASKI FARM 鳥越靖基
  • 有機ほうれん草

    アクが少なく、ほうれん草本来の味がしっかりします。

  • 有機小松菜

    アクが少ない健康野菜。ジューシーでコクがあります。


徳島の有機の学校                     「小松島有機農業サポートセンター

3月に卒業した第18期生の皆さん

1,000人の有機農業者育成をめざして!

有機農産物の安定的な確保のためには、有機農業従事者の育成・確保が必須となります。しかし、日本の農業従事者の数は減少の一途をたどっています。

コープ自然派は2010年、徳島県小松島市に有機の学校「小松島有機農業サポートセンター」を設立し、「BLOF(生態系調和型農業)理論」に基づいた有機農業者の育成に力を注いでいます。ここで学んだ卒業生はこれまでに148名を数え、その中には有機農業の現場で活躍している人も数多くいます。

研修生にこれまで学んだ知識や経験を伝えています。

現在、高齢化による農業人口の減少、また市場の暴落による価格の低下、気象変動などにより、これから農業を始める方にとってかなり厳しい状況にもなってきていると思います。

  
その中で、有機農業従事者を増やすための支援、応援をしているサポートセンターは、日本の農業の礎を強化するとても価値ある存在であると感じています。

  

サポートセンター理事
ヴェリタス 井口賀夫

サポートセンターでの有機野菜の研修が始まって早10年。研修事業も一段落したある日の理事会で、「ここで米をやらないか!」という一言が…。その瞬間、会議室に緊張が走った!

  
令和3年春から小松島有機農業サポートセンターで稲作コースが始まります。ゆくゆくはICTという先端技術を使った米作り等も考えていきたいと思っています。

  

サポートセンター理事
阿波農産 浜田浩明
  • ミニトマト

    甘いだけじゃなく酸味もあり、コクの強いミニトマトを作っています。

  • サラダスナップえんどう

    さやごと食べられる甘いえんどうです。マヨネーズやドレッシングをかけてどうぞ。


ネオニコフリーに取り組む生産者たち

新じゃがいも

鹿児島県徳之島のじゃがいもは、ミネラルたっぷりの赤土で育てられ、皮が薄くホクホクとした食感とあっさりとした味でとてもおいしいです。身近な家族や友達、知り合いに安心してじゃがいもを食べてもらえるように農薬を使わず栽培しています。

  
農薬不使用で長期間育てると病害のリスクがかなり高くなってしまうので栽培期間は90日前後と短めです。M〜Lサイズを中心にお届けしています。自信をもって徳之島のじゃがいもをお届けしますので感想などあれば教えてください。

  

検福園芸組合 義山大志さん
  • 新じゃがいも

    やや硬めで香りの良い品種「西豊」を中心にお届けします。

有機にんじん

吉水さんの有機にんじんは、毎年時期に合わせてさまざまな品種を栽培されていますが、心がけていることは欠品を極力出さない、という事です。せっかくご注文頂いても時期にあった品種(雨が降っても掘り取れる等)を作れないと欠品につながり、皆さんにご迷惑をお掛けすることになるので、まず最優先にそこを考えています。

  
土づくりにもBLOF理論を取り入れて品質も安定しています。7月まで出荷しますので宜しくお願いいたします。

  

生産者の吉水孝道さん
  • 有機にんじん

    えぐみがなく子どもにも人気。美味しい有機にんじん。

有機しょうが

熊本県の宇城市でしょうがを作り続けて40年以上になります。安定して生産を続けられているのも、土づくりや地域全体の取り組みがあるからです。

  

しょうがは生育状況を見ながら、2〜3年程同じ畑で作り続け、4〜5年休耕します。この休耕期間中、ソルゴーやレンゲ等の緑肥を年2回程栽培し、太陽熱養生処理を行います。これにより土壌病害虫の密度を下げ、畑の養分バランスを整えます。

  
また、地域のしょうが生産者の方々が積極的に黄色防蛾灯を使い、夜行性害虫の活動を抑制させることによって地域規模で被害を防いでいます。

  

藤本洋一さん
  • 有機しょうが

    赤土の土壌で農薬や化学肥料を使用せず栽培しました。

なす

天敵昆虫を2種類、なすのハウス内に入れて、農薬をできる限り減らしています。コナジラミやアブラムシ、スリップスなどの害虫を天敵昆虫がせっせと食べてくれるので、まるで大切な従業員のような感覚です。またネオニコや有機リンなど強い農薬を使うと天敵が死んでしまうので、使うとしても優しいものを選んで使っています。

  
その他、酵母菌や納豆菌などの良い微生物を使い、なすを健康に育てていますので、皆さんにぜひ食べていただけると嬉しいです!

  

生産者の
五嶋高之さん/都築功さん
  • なす

    淡白な味で他の食材とも合わせやすく、油との相性が良い野菜です。

公開:2021年4月5日
商品案内3号[2021年4月3回]掲載

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