腸は人体で最大の免疫器官で、体全体の免疫細胞の半数以上が集まっています。腸内にいる膨大な細菌（善玉菌・日和見菌・悪玉菌）の群生のことを、「腸内フローラ」とよび、体を元気な状態にするためには、このバランスを一定に保つことが大切です。

そして腸内フローラを整えるために、一役買う働きをする食べものが発酵食品です。発酵食品は、その土地の気候、風土、食文化に根差した伝統食であり、日本には数多くの発酵食品が存在しています。

和食には発酵食品がいっぱい!

和食はユネスコの世界遺産にも登録され、日本人の健康を支えてきた食文化です。この和食文化を支えている菌が、日本の風土が培ったこうじ菌です。醤油やお酢、味噌、みりん、日本酒など、和食に欠かせない調味料には、こうじ菌が使われているものが多くあります。

ヨーグルト

牛乳を発酵させて作るヨーグルトには、動物性乳酸菌が豊富に含まれ、人肌程度（約40℃）までなら温めても乳酸菌は死滅しにくいとされています。たとえ加熱や胃酸によって乳酸菌が死滅したとしても、その乳酸菌は善玉菌のエサとなり、善玉菌の働きを活発にして、腸内環境を整えることにつながります。

納豆

日本の発酵食品の代表格、納豆。納豆には大豆の栄養が丸ごと含まれるだけでなく、納豆菌の作用により、ビタミンＢ２、ビタミンＫ、グルタミン酸などの栄養素がさらに増加します。また、ネバネバ成分のムチンには胃などの粘膜の保護や、腸内の善玉菌を増やす作用があります。

パン

パンは、主食やおやつとして世界で日常的に食べられているポピュラーな発酵食品。炭水化物、たんぱく質に加え、ビタミン類やミネラルを豊富に含んでいます。

パンの主材料である小麦の中で、栄養素を最も多く含むのは胚芽の部分のため、より滋養によいものを摂りたい方は全粒粉（小麦を胚芽ごと粉にしたもの）を使ったパンを選ぶのがおすすめです。

ワイン

ワインは、主にブドウの果汁をアルコール発酵させてつくられており、世界の多くの地域で飲まれています。

ワインの中でも赤ワインには、動脈硬化や脳梗塞を防ぐ抗酸化作用に加え、ホルモン促進作用を向上させるポリフェノールが多く含まれるため、適量を楽しむことによりアンチエイジングに役立つとされています。