神山鶏”を訪ねて徳島へ行ってきました!

2018/9/10

我が家の定番、神山鶏の鶏舎を見学できると聞いて大喜びの私。前日は遠足前の子どものようにワクワクがとまらず、あまり眠ることができませんでした。

それほど、我が家では子どもたちの血となり肉となってきたお馴染みの鶏肉です。もちろん、冷凍庫には必ず入っています。

無投薬、NON-GMO(非遺伝子組み換え)、PHF(ポストハーベストフリーまたは、収穫後農薬なし)で育てられている神山鶏。

なんと、神山鶏の鶏舎は天空にありました!
 

みなさん、見てください!
この景色の美しいこと!

徳島県吉野川市美郷の山道をくねくねと登ってやっとたどり着いた鶏舎は、はるか遠い山々が見渡せる山の中腹にありました。そこより上には山の木々だけという、まさに“天空の鶏舎”。


御年80才の川村忠雄さんご夫婦は、神山鶏の生産が始まったときから携わっていらっしゃる生産者さんで、400年続く旧家だそうです。

川村さんご夫婦(中央・右)と後継者・娘婿の佐々木千参さん(左)です。

早速、自宅の裏手にある鶏舎へ!

生後18日目の、雛から少し大きくなった鶏たち9000羽が鶏舎に入っていました。

鶏たちは、エサを食べたり、水を飲んだり、走ったり、のびのびと過ごしていました。
この日、平野部は猛暑だったのですが、山の上は気温がぐんと低く、過ごしやすく、空気がとってもきれい。9000羽もいるのに臭いがまったくしないのが不思議なほど。

無投薬で健康に育てるために、川村さんはとても神経を使うとおっしゃいます。
温度やエサ、水、湿度など、鶏たちの様子を見るとどうしてほしいのかがわかるそうです。

鶏たちが寄り過ぎていたら寒がっているので温度を上げ、口を開けたり、羽を広げていたら暑がっているので風を通す。日に3、4回は温度調整をして夏も冬も同じように過ごせるように、鶏舎の温度は27~28度に保ちます。鶏の大きさにみあったパーソナルスペースが大切で、鶏と鶏の間隔は1羽分の隙間がベスト。密度が高くなると土が湿り、足を痛めて病気になりやすいといいます。

通常の配合飼料には病気予防のために抗生物質や抗菌剤が使われます。しかし神山鶏は、エサや環境にこだわり、病気にならないよう育てているのです。こんなに神経を使って世話をしても、鶏そのものの生命力の条件などもあって出荷までに死んでしまう鶏も出ます。でも、川村さんの努力もあって、ここ5、6年の出荷率は98%~100%と安定しているとのこと、ほんとうに素晴らしいですね。

美郷で養鶏をはじめて52年、神山鶏を育てて25年のベテランの川村さんでも、最初の1週間から10日目の管理が一番大切と、無投薬で育てる難しさを話してくださいました。

でも、川村さんの細やかな気遣いがあればこそ鶏たちもこんなリラックスした表情を見せてくれるのでしょう。

鶏たちは山から湧き出る清水を飲んで育ちます。
ぜいたくですねー。

神山鶏は1993年、コープ自然派が株式会社イシイフーズに依頼して「食べる人の健康が第一」との想いで誕生しました。無投薬、NON-GMO(非遺伝子組み換え)、PHF(ポストハーベストフリーまたは、収穫後農薬なし)の特別飼育鶏。神山や吉野川市美郷の養鶏農家さんに育てられています。

ストレスを与えずに健康に育てるために、納豆菌や酵母菌、バチルス菌など微生物の働きを活かした飼育環境や飼料の開発など、イシイフーズさんの研究・努力は並大抵のことではなかったそうです。
きれいな水、きれいな空気、清潔な寝床、そして動物性再生飼料を使わない植物性たんぱく飼料で、病気に強く健康な神山鶏が育っています。
神山鶏の紹介ページはコチラ

「もっといい方法がないか、いっつも何かを考えとる」と笑う川村さん。川村さんが養鶏を始めたころは、まだJAにもマニュアルがなく、鶏舎もエサ箱もすべて手作りで、竹を切って水を流して水飲み場を作るなど工夫を重ねたそうです。なんと、発酵床も鶏たちが冬場も暖かく過ごせるようにと農業での経験から自分で考え出したといいます。現在もこれまでとは全く違う新鶏舎を計画中とのこと。

素晴らしいチャレンジ精神と創意工夫を重ねた実績と経験が私たちの食卓を豊かにしてくれています。

このように大切に育てられた鶏たちを届けていただいているということを知って、これからはより大切に神山鶏を食したい思いました。

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